中国の高齢化が加速しようとしている。子供の数を抑える「一人っ子政策」の副作用が背景にある。昨年、60歳以上の人口が2億人を超えたが、高齢化対策は後手に回る。一方、経済成長を支えてきた働き盛りの世代の人口はすでに減っており、課題は山積みだ。
2年前から暮らす劉陵さん(86)は「家族と暮らしても24時間はいられないが、ここでは介護者がずっと一緒だ」と満足げだ。
中国人の平均寿命(2010年)は男性が72?38歳、女性が77?37歳。医療の改善などを背景に約30年間で男性が6?1歳、女性が8?1歳それぞれ延びた。それでも中国の人口に占める65歳以上の割合はまだ8?4%。日本の1970年代後半の水準だ。