「ナホトカ」と聞くとロシアの港ではなく福井の海が頭に浮かぶ。20年前の冬、ロシアの老朽船ナホトカ号から流れ出た重油が日本海沿岸を汚した。とりわけ被害が深刻だったのは福井県三国町(現坂井市)の海岸。全国からボランティアが駆けつけた 提及油轮纳霍德卡号,首先想到的不是俄罗斯的海港,而是毗邻福井的日本海域。20年前的冬天,俄罗斯一艘陈旧的油轮纳霍德卡号发生石油泄漏事故,造成日本海沿岸污染。福井县三国町(现坂井市)海岸污染尤其严重。全国各地的志愿者纷纷前来支援。 ▼「しゃもじにゴム手袋、雨ガッパが必須の装備。週末も通いました」。福井市に住む由田昭治(よしだしょうじ)さん(74)、育(いく)さん(73)夫妻はふりかえる。その2年前の阪神?淡路大震災で何もできなかったという悔いがあった。本業の工務店の仕事の合間に重油と格闘した 住在福井县的一对夫妇由田昭治(74岁)和阿育(73岁)回顾道:“木勺,橡胶手套还有雨衣是必要装备。周末也去支援。”因为他们后悔未能在这次事故2年前的阪神·淡路大地震中伸出任何援手。在本职工务店工作闲余,和泄漏的石油搏斗着。 ▼ボランティア向けに駅と浜を結ぶ臨時バスを提案。乗車予約をとりまとめ、バス停に朝夕立った。「宿のないボランティアを自宅に泊めた。でも過剰にもてはやすのは変。バランスに悩みました」 还提出为志愿者提供临时大巴往返车站和海边。从早到晚一直在车站,汇总志愿者的乘车预约。“让无处落脚的志愿者住在自己家里,但是招待过多过于隆重也不妥,如何平衡着实苦恼。” ▼当時の体験談を読むと、ボランティアをめぐるあつれきは少なくない。住民には炊き出しの負担がのしかかる。「支援の人々に気兼ねして漁に出られない」と漁師が嘆く。ある閣僚経験者は磯で15分だけボランティアのまねごとをして住民をげんなりさせた 翻阅当时的经验谈论,由于志愿者而产生的冲突也不少见。当地居民对烧饭赈灾颇感压力。渔民叹气:“顾及着这些志愿者,没办法出海捕鱼。”某位有官场经验的人花15分钟在海边模仿志愿者装模作样也令居民厌恶不已。 ▼由田さん夫妻の案内で海を歩いた。「船首が見えたのはあの辺り」「水族館のイルカまで油にやられた」。記憶が次々よみがえる 在由田夫妇的带领下走到海边。“船头是在那边发现的。”“连水族馆的海豚也遭遇了污油。”记忆不断涌起。 ▼3カ月に及ぶあの人海戦術は、充足感だけでなく災害支援の難しさも私たちに教えてくれた。支援者の善意と自己満足は紙一重であること。支援者と被災者の思いは時に食い違うこと。日本海を見つめながらナホトカ号の教訓を指折り数えた。 当年持续3个月的人海战术,带来的不仅仅只有充实感,也教会了我们赈灾的困难。志愿者的善意和自我满足只有一纸之隔。志愿者和灾民的想法常常存在分歧。眺望着日本海,纳霍德卡号带来的教训屈指可数。 ---------------------------- 备注: もてはやす:将···视为要人 軋轢:あつれき 不和,摩擦,冲突 伸し掛かる:のしかかる (不快的感觉)压在心头上 げんなり:泄气,生厌 紙一重:かみひとえ 相差无几,一纸之隔
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