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元治元年に長崎奉行は、外国人保護を目的に、地役人次男以下や市内に道場を持つ剣客と門弟、浪人150人を集めて、警備隊を編成する。後に遊撃隊と改称し、350人余までになった。坂本竜馬暗殺後の海援隊の多くが合流している。慶応4年1月薩摩藩の松方正義の説得で帰順し、4月19日に振遠隊と改めた。7月18日363人は長崎港よりイギリス船フィロン号で東北に出陣し、秋田?南部へと転戦し、12月12日京都で栄誉を賜り、16日に神戸からロシア船コレア号で帰途、20日に長崎へ帰還した。戦死13人?病死4人?負傷19人であった。
振遠隊は7中隊からなり、1中隊は50人、一等より四等の隊員と港口炮台守兵と天草島番衛で編制し、軍曹2人?教頭2人?教師1人?会計係2人?中隊令官7人?半隊令官7人?教頭属役4人?分隊令官7人?嚮導7人?押伍7人?旗隊6人?器械係3人?同助役4人?輜重係2人?同助役5人?兵士一等41人?二等51人?三等180余人?四等80人という内訳であった。
明治2年8月17日に存続が許され、23日に市中巡邏の任務が廃されたものの、10月10日に20人で市中巡邏を再度任される。3年2月に兵制が改められ、6月に外国人居留地に警衛所が設けられて、ここの守備にあたった。7月25日の時点で、常備歩兵3小隊で、1隊の兵士は60人、各隊は小隊長1人?副分隊長1人?嚮導1人?押伍5人を持ち、この他隊には軍監1人?副大隊長2人?小銃教師1人?大砲掛1人?機械掛2人?輜重掛2人?書記1人?鼓手喇叭4人を置いた。大炮10門の内訳は、80ポンドカノン3門（台場備付?弾薬150発）?36ポンドカノン5門（台場備付?弾薬250発）?12寸忽微炮と弾薬270発であった。小銃は650挺を所持し、英国製元込銃250挺（弾薬10万発）?短施條銃400挺（弾薬7万発）となっている。
5年2月22日に解兵が告げられるものの、新設の羅卒60人と炮台炮手50人は全て振遠隊から選ばれ、先にあげた80ポンドカノン3門と36ポンドカノン5門をそのまま備えた（外山幹夫『もう一つの維新史』、同『長崎?歴史の旅』、『幕末維新史事典』、「府県史料」長崎縣史料10）。 厳原藩
士族戸数1837戸、男5585人、女5375人
卒族戸数1082戸、男2506人、女1596人
歩兵6小隊と砲兵2分隊の合計470人を保有する。
大村藩
士族戸数1821戸、男4535人、女4836人
卒族戸数676戸、男1481人、女1456人
その他兵卒222戸、男517人、女488人とあるが、農兵であろうか。
『復古記』では、銃隊5大隊を大隊長以下1大隊307人で編制する。この内銃士は1200人であった。砲隊は5小隊?砲10挺で小隊長以下95人であり、この内砲士は80人であった。総人数は1630人となる。明治初年には、小銃隊4大隊?1000人、大砲1大隊?212人を保有していた。
福江藩
士族戸数316戸、男814人、女905人
卒族戸数285戸、男669人、女610人
兵員を640人保有し、この内訳は、151人の隊を1隊、1小隊40人ずつ2小隊に組んだ隊が1隊、その他に、役員?医者?器械掛?大砲附属等がいた。また砲台守備と浦村駐屯の隊493人があった。
島原藩
士族戸数369戸、男1070人、女1150人
卒族戸数888戸、男2062人、女2260人
『復古記』では800余人とある。明治初年には、一番大隊として6中隊(実質的に小隊)を各隊40人で編制する。二番大隊は遊撃大隊であり、砲隊は3隊を各隊30人ずつで編制する。その後編制方法を若干改め、常備兵4小隊を1隊60人?士官36人、予備兵7小隊を同様に編制し、砲隊は3隊を各20人ずつで編制したようである。
平戸藩
士族戸数444戸、男1129人、女1214人
卒族戸数2919戸、男6076人、女5968人
陪卒?脇間?又者9009戸、男24608人、女22231人
『復古記』では、士組頭10人?士242人?中小姓頭2人?中小姓40人?徒士頭2人?徒士50人?足軽頭25人?足軽700人、野戦砲25挺と台場砲があった。明治初年には3大隊あり、その内訳は1小隊を士族?準士族を混ぜた50人として4小隊で大隊が1つ、卒51人を1小隊にして6小隊で1大隊にした大隊が2つであった。大砲は各大隊に8門ずつ配置する。この他に、卒48人を1小隊にした4小隊と1隊30人の弓隊が2小隊あった。
平戸新田藩
士族戸数128戸、無男245人、女250人
卒族戸数112戸、男258人、女219人
本藩の内にあり、特に兵力は存せず。
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