分享

【江戸小話】『大蛇』

 日知窗 2020-10-05
大蛇
むかしむかしの、暑い夏の日のこと。 医者が、病人を治療しての帰り道に、暑くてたまらないので、大木の陰で一休みして涼んでおりますと、木の上から大蛇が下りてきて、医者を一飲みにしてしまいました。 大蛇の腹の中へ入った医者は、「これは困った。何とかして外へ出たいものだが」と、考えていましたが、「そうだ」 膝を叩くと、いつも持っている薬ばこをあけ、下剤を取り出して、パッパッと、撒き散らしました。 すると、たちまち大蛇の腹の中は、ゴロゴロゴローと大きな音がし始めました。 そして見る見る激しい下痢を起こして、ザーッと、医者を外へ噴出してしまいました。 外へ出た医者は、喜んで帰ろうとして、ふと、大切な薬箱がないのに気づき、「おお、しまった。大蛇の腹の中に忘れてきてしまった。大蛇よ、どうかもう一度わしを飲んではくれまいか」と、頼むと、大蛇は、げっそりとした顔で、「ええい、もう医者はたくさんじゃ。顔をみるだけで、気分が悪くなる」
涼む:乘凉,纳凉。
一飲み:一口。
下剤:泻药。
撒き散らし:散撒,散布。
見る見る:眼看着。
ふと:偶然;一下;突然。
げっそりと:(骤然)灰心,失望,没精打采。
気分が悪い:情绪不好。

蟒蛇
很久很久以前,一个炎热的夏日。
   一位医生在出诊回来的途中,因炎热难耐在一棵大树的树荫下休息片刻,就在乘凉的时候,从树上爬下来一条蟒蛇,将医生一口吞了进去。
    进入蟒蛇腹中的医生想:
    “这下可糟了!我要想办法出去,可是怎么才能出去呢?”
    “有了!”
   于是,打开一直随身携带的药箱子,取出泻药,哗哗地撒开了。
   不大工夫,蟒蛇的腹中就发出了很大的咕噜咕噜咕噜的声响。
   随即出现了剧烈的腹泻,随着“哗”的一声就把医生喷了出去。
   医生出来后正要高兴地回家,突然发现宝贵的药箱子没了,说道:
    “噢,糟糕!忘在蟒蛇的肚子里了。大蛇,您能不能再把我吞进去一次啊?”
    他向蟒蛇恳求。
    蟒蛇听后,一脸失望地说:
“哎,医生我算怕了。就连看一眼我都觉得不舒服!”

    转藏 分享 献花(0

    0条评论

    发表

    请遵守用户 评论公约

    类似文章 更多