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【世界の有名な童話】蛇の魔法

 日知窗 2020-11-05

蛇の魔法
(タンザニアの昔話) 

昔々、兄さんと妹の、二人の兄弟がいました。
 兄さんは意地悪で、とても欲張りでしたが、妹は美しくて気の優しい娘でした。
 お父さんが死ぬと、兄さんはお父さんのお金や持ちものを、みんな自分一人のものにしてしまいました。
 妹には、たった一粒のトウモロコシさえ、分けてやらなかったのです。
 仕方なく妹は、部屋の隅に残っていた、たった一つのカボチャの種を裏庭にうえて、大事に育てました。
 カボチャは、じきに大きくなり、毎日、毎日、美味しい実がいくつもできました。
 妹は、そのカボチャを売って、なんとか暮らしていました。
 ある日、兄さんが妹の家にやってきました。
「おい、カボチャ畑はどこだ」
「あら、兄さん。裏庭ですよ。でも兄さん、カボチャを見てどうするんです?」
と、妹が聞きました。
根こそぎ、抜いてやるのさ。こんな素晴らしいカボチャは、お前には、もったいない
 妹は兄さんの後を追って、急いでカボチャ畑へ行きました。
 兄さんはナイフを掴んで、今にもカボチャの茎を切ろうとしています。
「お願いです。これがなかったら、あたしは暮らしていけないんです!」
 妹はカボチャの切られないよう、茎を手でしっかりと握りました。
「ふん!関係ないね!」
 兄さんはかまわず、カボチャの蔓と一緒に、妹の右手をきり落としてしまいました。
 右手をきりおとされた妹は、ワッと、泣き出すと、夢中で森へ逃げていきました。
 それから、獣におそわれないように木に登って、しくしくと泣き続けました。
 涙が頬を伝って、後から後から流れました。
 そこへ、よその国の王子が、狩りをするためにここを通りかかりました。
「ここでしばらく休んでいこう。ひと休みしてから、また狩りを続けよう」
と、言って、王子は右手のない娘が泣いている、木の下に腰を下ろしました。
 娘の涙が、ポトンと、王子の頬に当たりました。
「おや、雨かな?」
 けれども空は青くすんでいて、雲一つ見えません。
 ポトンと、もうひとしずく落ちて、王子の頬を濡らしました。
「これは不思議。きっと、この木の上になにかがいるんだな」
 王子は木に登って、右手のない娘を見つけました。
 その娘があまりにも美しいので、王子はすぐに好きになりました。
 そして、お嫁さんにしようと思いました。
「さあ、もう怖がることはないよ。行くところがないのなら、ぼくのお城へきなさい」
 王子は大きなきれに娘を包んで、お城ヘ帰りました。
 お城では、王様もお妃さまも、美しい娘が気にいりました。
 やがて王子と右手のない娘は結婚して、お城で楽しく暮らしました。
 国中の人が、美しくて、若いお妃を褒めました。
 それと一緒に、若いお妃には右手がないと言う噂が、国中に広がりました。
 王子と若いお妃には、可愛らしい男の子が生まれました。
 王子と若いお妃は、ますます幸せでした。
 ところがまもなく、王子は遠い地方をおさめるために、長い旅に出かけることになりました。
 若いお妃は、赤ちゃんと一緒にお城に残りました。
 ちょうどそのころ、お城のある町へ、よその国の男がやってきました。
 その男というのは、若いお妃の兄さんだったのです。
 兄さんは、ちっとも働かなかったので、お父さんからもらったお金も持ちものも、すっかり使い切ってしまっていました。
 そして、あっちの村、こっちの町と歩き回っては、人を騙してお金をとっていたのでした。
 お城の近くにきた兄さんは、若いお妃には右手がないという噂を聞きました。
 そして、王子が旅に出ていることを確かめると、
「こいつはしめた。その若いお妃というのは、妹のやつに違いない。こりゃあ、運がいいぞ」
と、呟いて、お城へ出かけていきました。
「王様、お妃さま。わたくしは王子さまを、おすくいしにまいりました」
と、兄さんは言いました。
「若いお妃になられたかたは魔女です。わたしの国で六度も結婚して、六度も夫を殺した女です。王子さまも旅からお帰りになれば、きっと、この恐ろしい魔女に殺されてしまいます。早く若いお妃をころしてしまうほうが、よろしゅうございます」
と、さも、本当らしく話しました。
 王様も、お妃さまも、始めは信じようとしませんでしたが、でも、兄さんが繰り返し、繰り返し言いますので、とうとう、若いお妃を恐ろしい魔女だと思いこんでしまったのです。
 そこで王様とお妃さまは兵士に言い付けて、若いお妃と赤ちゃんを森へ追いだしてしまいました。
 そして、
「王子が帰ったら、若いお妃は死んだと、言いましょう」
と、言って、空っぽのお墓を二つつくりました。
 兄さんは王様を騙して、お金をたくさんもらうと、お城のそばに大きな家をたてました。
 お城から追い出された右手のない若いお妃は、壷を一つ持ったまま、あてもなく森を彷徨い歩きました。
「ああ、これから、どうしたらいいのかしら?」
と、若いお妃は草の上に座って、深い溜息をつきました。
 すると、そばの草叢から蛇が出てきて言いました。
「助けてください。あなたの壷に隠してください。追いかけられているんです」
 若いお妃は、壷を転がしてやりました。
 蛇は、壷のおくにとぐろをまくと、
「日の光から、ぼくを守ってください。その代わり、あなたを雨から守りますから」
と、わけの分からないことを言いました。
 若いお妃が聞きかえす暇もなく、もう一匹の蛇が現れました。
 そして、
「おれの仲間を、見かけなかったかね?」
と、尋ねました。
「あっちへ、行きましたよ」
 若いお妃は、森の奥を指さして言いました。
 すると、後から出てきた蛇は、木の間を滑り抜けて、行ってしまいました。
 壷の中の蛇が、壷から出てきて言いました。
「ありがとうございます。ご恩はけっして忘れません。でも、どうしてこんなところにいるのですか?」
 そこで若いお妃は、今までのことを、残らず蛇に話しました。
 すると蛇は、
「ぼくの国へいらっしゃい。ちょっと遠いですが、辛抱してください。ぼくを日の光から守ってくださったら、あなたを雨から守ります。きっと、ご恩がえしをいたします」
と、言いました。
 若いお妃は赤ん坊を抱いて、蛇の後から歩いていきました。
 やがて、広い湖につきました。
「ここで、しばらく休みましょう。水を浴びていらっしゃい。ぼくはここでひと眠りします」
と、蛇が言いました。
 湖の水は透き通っていて、とても綺麗だったので、若いお妃は子どもの体をあらいました。
 気持ちがいいのか、子どもは手足をバタバタさせて喜びます。
 ところが、あんまり暴れたので、あっというまに、若いお妃の左手から滑り落ちて、湖のそこに沈んでしまいました。
 そのとたん、透き通っていた湖の水が黒くにごりました。
 若いお妃は腰まで水につかって、左手で捜しましたが、どんなに捜しても子どもは見つかりません。
 若いお妃は、涙をふこうともしないで、よろよろと蛇のそばに近よりました。
「どっちの手で、捜したのですか?」
と、蛇が尋ねました。
「まあ、左手に決まっているじゃありませんか。右手は手首までしかないんですから、子どもを掴まえられませんもの」
「では、右手も水につけなさい。きっと、お子さんが見つかりますよ」
 蛇に言われて、若いお妃は湖に戻りました。
 腰をかがめて、右手と左手を水につけました。
 すると、子どもが両手の間にスルリとはいりました。
 若いお妃は大喜びで、子どもをだきあげました。
 子どもは、キャッキャッ!と、声をあげて笑います。
 まだ、溺れていなかったのです。
 若いお妃は、子どもを何度も何度も抱きしめました。
 そのうちに、ふと右手を見ました。
「あら!」
 若いお妃は、びっくり。
 右手がいつのまにか、ちゃんともとどおりに治っているではありませんか。
「まあ、嬉しい。蛇さん、ありがとう」
 若いお妃は、踊り上がって喜びました。
「さあ、出かけましょう。蛇の国の父と母は、ぼくを助けてくださったあなたにお礼を言うでしょう」
「まあ、お礼なら、もうたっぷりいただいたわ。子どもを助けてくださったし、右手も治してくださったし」
「いいえ、『日の光から守ってくださったら、あなたを雨から守ります』って、言いましたね。まだその約束を、はたしてないのです」
と、蛇が言いました。
 長い長い旅をして、やっと蛇王国につきました。
 若いお妃を案内してきたのは、蛇王国の王子だったのです。
 蛇の王様とお妃さまは、若いお妃とその子どもを、あつくもてなしてくれました。
 二人は蛇王国で、楽しい毎日を送りました。
 何ヶ月もすぎて、若いお妃は、そろそろ人間の国ヘ帰らなければならないと思いました。
「おや、もうお帰りですか?お名残惜しいですね。父と母が、きっといろいろなお土産をさしあげるでしょう。でも、けっしてそれをうけとってはいけません。父からは指輪を、母からは小箱をもらってください」
と、蛇の王子が教えました。
 若いお妃が蛇の王様とお妃のところへ、お別れのあいさつに行くと、二人は金や銀や宝石を、若いお妃の前に積み上げました。
「ありがとうございます。でも、こんなにたくさんお土産をいただいても、わたくし一人では持ってまいれません。王様からは指輪を、お妃さまからは小箱を、いただきとうございます」
と、若いお妃が言いました。
「おや?息子が話したのですね。いいですとも。あなたは息子の命をすくってくださったのですから」
と、いって、蛇の王様は指輪をくれました。
「なにか食べ物がいりようでしたら、この指輪にいってください。きっと、お役にたちますよ」
 すると蛇のお妃が、小箱を取り出して、
「きるものや家がほしかったら、この小箱にいってください。きっと、望みが叶えられますよ」
と、言いました。
 若いお妃は、何度もお礼を言って、指輪を指にはめ、小箱を懐に隠しました。
 子どもを抱いて蛇王国をでた若いお妃は、お城を追われた時とは見違えるほど、いきいきとしていました。
 若いお妃は、王子と暮らしたお城をめざして歩いていきました。
 ちょうどそのころ、王子は長い旅からお城へ戻ったところでした。
 そして、若いお妃も子どもも、死んでしまったと聞かされた王子は、
「ああ、わたしさえ旅にでなかったら、死んだりはしなかっただろうに」
と、言って、悲しみました。
 王子は朝から晩までなにも食べずに、若いお妃と子どもの名を呼んで、部屋に閉じ籠ったきりでした。
 王様とお妃さまは、王子が死んでしまうのではないかと心配しました。
 ある日の朝早く、王子は冷たい空気をすってみようと、窓をあけました。
 すると向こうに、見たことのない、立派な家が見えました。
(
あれは、だれの家だろう?あんなに大きな家に住んでいるのなら、きっと金持ちに違いない)
 王子は、召使に尋ねました。
「王子さま、わたくしも昨日、始めて気がついたのでございます。人の噂では、美しい女の人と子どもが、百人の召使と暮らしているそうでございます」
と、召使が言いました。
「今夜、あの家へ行ってみよう」
 王子が外へ出かける気になったと聞いて、王様もお妃さまも、ホッとしました。
 太陽が沈んで、すずしい風がふき始めた時、王子は新しくたった家に、出かけていきました。
 王子の後には、王様とお妃さまが続きました。
 その後には、大臣たちが行列を作りました。
 新しい家というのは、若いお妃が小箱に頼んで作ってもらった家だったのです。
 行列の足音を聞いて、若いお妃は窓のそばに駆け寄りました。
 王子たちが来るのを見ると、今度は指輪に頼んで、ご馳走の用意をしました。
 若いお妃は、王子たちを玄関にで迎えました。
 王子は、若いお妃を見て、夢かとばかり喜びました。
「おお、生きていてくれたのか!いったい、どこにいたのだ?」
と、王子が尋ねました。
 若いお妃は、お城を追われてからの出来事を、ありのまま話しました。
「だがどうして、城から追いだされたのだ?」
と、王子がふたたび尋ねました。
 すると王様とお妃さまが、恥ずかしそうに、
「よその国の男がきて、若いお妃を、恐ろしい魔女だと言ったので」
と、言って、俯いてしまいました。
 若いお妃には、その男は兄さんだということが、すぐに分かりました。
 若いお妃が姿を消したのは、悪い兄さんのためだったということが、国中に知れ渡りました。
 意地悪で、嘘つきで、欲ばりの兄さんは、すぐさま国を追いだされました。
 それからというもの、若いお妃はだれにも邪魔されずに、王子と子どもと三人で、幸せに暮らしました。
 その国には、いまでも、『蛇をころしては、いけない』という決まりが、あるそうです。

意地悪(いじわる):心眼儿(坏的人)

裏庭(うらにわ):后院。

じきに:立即,马上。

根こそぎ:全部;一点不留地。

もったいない:可惜,浪费。

しくしく:抽抽搭搭。

ポトン:吧嗒(落下)。

使い切る:用完。

呟(つぶや)く:嘟哝;唠叨;唧咕。

言い付ける:吩咐。

空(から)っぽ:空,空空如也。

彷徨(さまよ)う:彷徨,流浪。

溜息をつく:叹息。

とぐろをまく:卷成一团。

辛抱(しんぼう):忍耐,忍受。

透(す)き通(とお)る:透明;清澈。

バタバタ:吧嗒吧嗒。

暴(あば)れる:乱闹;荒唐。

よろよろ:东倒西歪;摇摇晃晃。

スルリ:滑溜溜地;迅速而巧妙地。

キャッキャッ:格格,叽叽嘎嘎。

たっぷり:充分,足够。

もてなす:对待,接待;款待。

名残惜(なごりお)しい:恋恋不舍。

見違(みちが)える:看错。

いきいき:活泼,生气勃勃。

閉(と)じ籠(こも)る:闷在(家)里。

ホッと:叹气;放心。

駆(か)け寄(よ)る:跑到跟前,跑近。

出来事(できごと):事情;变故。

ありのまま:事实上;实事求是。

俯(うつむ)く:附首,低头。

知(し)れ渡(わた)る:传遍,广泛知道。

蛇的魔法

(坦桑尼亚故事)

从前有兄妹两个。

哥哥心眼儿坏,妹妹却是一个心地善良的美丽姑娘。

父亲死后,哥哥把父亲的钱和东西都据为己有,连一粒玉米也没有分给妹妹。

没办法,妹妹把留在房间角落里的仅有的一粒南瓜种子种在院子里,精心地照料着。

南瓜立刻长大了,每天每天都结出好几个好吃的南瓜。

妹妹靠卖这些南瓜勉强维持生活。

一天,哥哥来到了妹妹家里。

“喂,南瓜地在哪里?”

“哎呀,哥哥,在后院里。但是你看了南瓜想干什么?”妹妹问道。

“把它连根拔下来,这么好的南瓜,给你太可惜了。”

妹妹追在哥哥的后面,赶忙来到了南瓜地里。

哥哥手里拿着刀子,要砍南瓜的茎。

“求求你了,没有这个我怎么生活下去啊。”

妹妹为了不让哥哥砍到,用手紧紧地抓着南瓜的茎。

“哼,这跟我可没关系。”

哥哥根本就没理会,把南瓜的蔓连同妹妹的右手一起砍了下来。

妹妹被砍掉了右手,哇地一声哭了起来,拼命地往森林里逃跑了。

之后,她为了躲避野兽的袭击,爬到树上抽抽搭搭地哭着。

眼泪沿着脸蛋不断地流下来。

这时,其它国家的王子打猎经过这里。

“先暂时在这里休息一下,然后继续打猎。”

小姑娘的眼泪,啪嗒一下打到了王子的脸上。

“啊?下雨了么?”

可是,天空却晴空万里,一丝云彩也看不到。

啪嗒又一滴落了下来,王子的脸被弄湿了。

“这真是奇怪了,一定是树上有东西。”

王子爬到树上,发现了没有右手的小女孩。

小女孩太漂亮了,王子立刻喜欢上了她。

然后想把她娶为自己的新娘。

“不用害怕了,如果没有地方去的话,就去我的城堡吧。”

王子用一块大布把小女孩包起来,回到了城堡。

城堡里,国王和王后都很中意这个漂亮的小女孩。

不久,王子和没有右手的小女孩结婚了,在城堡里快乐地生活着。

全国的人都称赞美丽年轻的王妃。

与此同时,年轻的王妃没有右手的传言也传遍了全国。

王子和年轻的王妃,生下了一个可爱的小男孩。

王子和年轻的王妃生活得更加幸福了。

但是不久,王子为了治理遥远的地方,开始了漫长的旅程。

年轻的王妃和孩子一起留在了城堡里。

正巧这时,邻国的一个男子来到了城里的镇上。

那个男的正是年轻王妃的哥哥。

哥哥,一点也不劳动,把爸爸的钱和东西全都用光了。

然后到各个村子或城镇来回转,骗人钱财。

来到城堡附近的哥哥听说了年轻的王后没有右手的传言。

然后她确认了王子出门在外后,自言自语地道:

“妙极了,那个年轻的王后一定是妹妹那家伙,这次运气不错。”,赶往了城堡。

“大王,王后,我是来拯救王子的。”哥哥说。

“现在的年轻的王妃是魔女,在我的国家里曾经结过六次婚,每次都把自己的丈夫杀了。王子一旦回来的话一定会被这个可怕的魔女杀掉的。还是尽快把年轻的王妃处死吧。”

他说得就像真的一样。

国王和王后开始并没有相信她的话,可是哥哥不停地重复着说,终于他们也开始深信年轻的王妃是可怕的魔女了。

于是,国王和王后派士兵把年轻的王妃和孩子赶到了森林里。

然后说:“王子要是回来的话,就告诉他说年轻的王妃去世了。”说完,又建了两座空墓。

哥哥欺骗了国王,得到了很多的钱,在城堡的旁边盖了一个很大的家。

被从城堡里赶出来的没有右手的王妃,拿着一个坛子,漫无目的地在森林里徘徊。

“哎,从今以后该怎么办呢?”年轻的王妃坐在草丛上深深地叹了口气。

这时从旁边的草丛里爬过来一条蛇,说:

“救救我,让我藏在你的坛子里吧,我正在被追杀。”

年轻的王妃把坛子翻倒,蛇在坛子里面卷成一团,说:

“请从阳光里保护我,我会从雨里保护你的。”这些话听起来让人感到莫名其妙。

年轻的王妃还没有来得及回问,另一条蛇就出现了。

于是它问道:“有没有看到我的同伴?”

“往那边去了。”年轻的王妃指着森林的深处说。

于是,后来的那条蛇,爬过树丛走了。

坛子里面的蛇从坛子里爬了出来。

“谢谢。您的恩情我绝对不会忘的。可是你为什么呆在这种地方呢?”

年轻的王妃就把迄今为止的事情一字不漏地告诉了蛇。

于是,蛇说:“请去我的国家吧。虽然有点远,请坚持一下。您如果从阳光里保护我的话,我就从雨中保护你。我一定会报答您的恩情。”

年轻的王妃抱着孩子,跟在蛇的后面走了。

不久来到了一片宽广的湖边。

“我们在这里休息一下吧,您洗个澡,我睡一觉儿。”蛇说。

湖里的水清澈见底,非常干净,年轻的王妃就给孩子清洗了身子。

也许是舒服了吧,孩子手舞足蹈的高兴起来。

可是也许是闹腾过头了,一眨眼功夫,孩子从王妃左手滑落,沉到了湖底。

与此同时,清澈见底的湖水变得黑乎乎地浑浊起来。

年轻的王妃被水浸到了腰部,用左手找了半天也没有找到孩子。

年轻的王妃连眼泪也没顾得上擦,摇摇晃晃地来到了蛇旁边。

“你用哪只手找的?”蛇问道。

“这不明摆着用左手吗?右手只有手脖子,根本就抓不住孩子。”

“那么,请把右手放到水里,一定会找到您的孩子的。”

被蛇这样一说,年轻的王妃又回到了湖里。

弯下腰,把左手和右手都放到了水里。

没有想到,孩子迅速地进到了两只手之间。

年轻的王妃非常高兴,把孩子抱了起来。

孩子咯咯地出声笑了起来。

孩子竟然没有被淹死。

年轻的王妃一次又一次地把孩子抱在怀里。

这时候王妃突然发现自己长出了了右手。

“啊?”

年轻的王妃大吃一惊。原来右手不知什么时候已经完好如初了。

“哇,我好高兴啊。蛇先生,谢谢你。”

年轻的王妃高兴地跳了起来。

“好了,我们出发吧。蛇王国的我的爸爸妈妈一定会感谢您救了我的。”

“嗯,要说感谢的话,我已经得到得够多了,你不但救了我的孩子,还把我的右手治好了。”

“不,我们不是说好了‘如果您从太阳里保护我的话,我就从雨里保护你’吗?我们还没有实现那个约定呢。”蛇说。

经过了长长的旅程终于到达了蛇的王国。

把年轻的王妃带来的正是蛇王国的王子。

蛇国的国王和王后热情地招待了年轻的王妃和孩子。

两个人在蛇王国每天都过得很快乐。

这样过了几个月,年轻的王妃觉得应该回到人类的国家去了。

“是吗?您要回去了?真是不舍得和您分离啊。爸爸和妈妈一定会送给你很多礼物的。但是这些你一定都不能收。你要从爸爸那里要一个戒指,从妈妈那里要一个小盒子。”蛇王子告诉她说。

年轻的王妃去同蛇国王和王后道别,两个人拿出来金银珠宝摆在了年轻王妃的面前。

“谢谢,不过这么多礼物,我一个人也拿不了。我想跟国王要一个戒指,跟王后要一个小盒子。”

“哎呀,肯定是我儿子和你说过,好吧,谁让你救过我儿子的命呢?”说着,蛇国王送了戒指给她。

“如果需要食物的话,就对戒指说,一定能起到作用的。”

于是,蛇王后拿出了一个小盒子,说:

“如果你想要穿的和房子的话,就对小盒子说。一定会帮你实现愿望的。”

年轻的王妃感谢了好几次,戴上戒指,把小盒子藏在了怀里。

抱着孩子从蛇王国里出来的年轻王妃和从城堡里被赶出来时已经完全不一样了,显得神采奕奕。

年轻的王妃,向着她和王子生活过的城堡走去。

正巧这时,王子也从漫长的旅程中返回到了城堡。

当王子听说年轻的王妃和孩子死去了,说:“我如果不出门的话,他们也就不会死了。”

他非常伤心。

王子从早到晚不吃不喝,呼唤着年轻王妃和孩子的名字,把自己关在房间里。

国王和王后非常担心王子这样下去会死去的。

一天早晨,王子想要呼吸一下新鲜空气,把窗户打开了。

于是看到了对面的没有见过的漂亮的房子。

(哎?这是谁的家呢?住在这么大的房子里,一定是个有钱人。)

王子问了侍从。

“王子殿下,我们也是昨天才注意到的,不过人们传言说,好像是一个美丽的女子和孩子,还有上百的侍从生活在那里。”侍从说道。

“今天晚上去那里看看。”

国王和王后一听王子有了外出的想法,终于松了一口气。

太阳落山了,凉爽的风吹了起来,王子向那个新房子出发了。

在王子后面,跟着国王和王后。

后面还有大臣的队伍。

新房子正是年轻王妃拜托小盒子建造的家。

听到队伍的声音,年轻王妃跑到了窗边。

一见到王子们来了,这次拜托戒指准备了食物。

年轻王妃在大门口迎接了王子们。

王子见到了年轻王妃,像做梦一样高兴极了。

“喂,你还活着?到底去了哪里?”王子问道。

年轻王妃从城堡里被赶出来后的事情原封不动地告诉了王子。

“但是你为什么会被赶出去了?”

这时,国王和王后不好意思地说:

“其它国家的一个男子来,说年轻王妃是可怕的魔女。”说着,低下了头。

年轻王妃立刻就明白了那个男子是自己的哥哥。

年轻王妃消失了是坏哥哥搞的鬼。这件事情被全国人所共知。

心眼儿坏,撒谎,贪得无厌的哥哥很快被逐出国度。

从此以后,年轻王妃再也不被别人捣乱,和王子以及孩子三人过着幸福的生活。

据说好像在那个国家到现在还有“禁止杀害蛇”的规定。

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