分享

【双语资讯】成功开发出即使在大气中也能同时流过空穴和电子的新型分子半导体材料

 AIpatent 2023-01-07 发布于上海

本文3156字,阅读约需8分钟

摘   要:研究小组使用具有均匀分子量的低分子材料,成功开发出在大气中稳定并能够使空穴和电子同时流动的双极型半导体材料。在主流低分子型有机半导体材料——π共轭分子中,很难达到表现这种传输特性所需的电子状态,但在本研究中,通过使用以具有d亚层电子的金属为中心的d/π共轭骨架,实现了不易与水和氧发生反应且化学稳定的电子结构。通过将该骨架与适当的侧链结合,实现了兼具高有序性、高维度和高溶液加工性的新型分子半导体材料。

关键词:双极型分子半导体、低分子材料、 p型/n型半导体、有机半导体材料、d/π共轭分子

研究要点

·开发出一种双极型分子半导体材料,可以通过单一成分使空穴和电子同时流动。

·传统的电子传输材料大多需要在严格排除氧和水的真空状态或惰性气体气氛中使用,但本研究实现了在大气中高度稳定并表现出优异的空穴和电子传输特性的材料。

·确立了高性能且在大气中高度稳定的双极型半导体材料的设计指南,该材料有望应用于有机太阳能电池等新一代有机电子器件。

01

发表概要

由东京大学物性研究所研究生伊藤雅聪、助教藤野智子、教授森初果组成的小组和尾崎泰助教授,以及大阪公立大学研究生院工学研究科副教授牧浦理惠、研究员Kanokwan Jumtee Takeno在研究生张磊(当时)、研究员横森创(当时,现为立教大学理学部化学科助教)、产业技术综合研究所电子光基础技术研究部门高级研究员东野寿树的协助下,使用具有均匀分子量的低分子材料,成功开发出在大气中稳定并能够使空穴和电子同时流动的双极型半导体材料。

東京大学物性研究所の伊藤雅聡大学院生、藤野智子助教、森初果教授のグループと尾崎泰助教授、および大阪公立大学大学院工学研究科の牧浦理恵准教授と武野カノクワン研究員は、Lei Zhang大学院生(研究当時)、横森創研究員(研究当時、現在:立教大学理学部化学科助教)、産業技術総合研究所電子光基礎技術研究部門の東野寿樹主任研究員の協力のもと、分子量のそろった低分子材料を用いて大気下で安定な、ホールと電子の双方を流すことのできるアンバイポーラ型半導体材料の開発に成功しました。

双极型半导体兼具空穴传输p型半导体和电子传输n型半导体的特性,因此作为在有机电子器件开发中发挥关键作用的新型半导体材料而备受瞩目。尤其是大多材料难以在大气中稳定,虽然在p型和n型半导体的复合材料,以及一些聚合物型材料中曾发现过这种大气稳定特性,但在复合材料中,存在接触界面传导效率下降、在聚合物中难以获取对于性能控制十分重要的结构信息等问题。

有機エレクトロニクスデバイスの発展を担う新しい半導体材料として、ホールを輸送するp型半導体と、電子を輸送するn型半導体の両方の性質を兼ね備えたアンバイポーラ型半導体が注目されています。特に大気中での安定な材料の実現が難しく、別々のp型半導体とn型半導体を複合させた材料や一部のポリマー型材料などでこうした特性が見出されてきましたが、複合材料では接触界面における伝導効率の低下や、特性の制御に重要な構造情報がポリマーにおいては入手困難である点が問題となっていました。

在主流低分子型有机半导体材料——π共轭分子中,很难达到表现这种传输特性所需的电子状态,但在本研究中,通过使用以具有d亚层电子的金属为中心的d/π共轭骨架,实现了不易与水和氧发生反应且化学稳定的电子结构。通过将该骨架与适当的侧链结合,实现了兼具高有序性、高维度和高溶液加工性的新型分子半导体材料。

低分子型有機半導体材料の主流であるπ共役系分子(注1)では、こうした輸送特性の発現に必要となる電子状態を実現するのは困難でしたが、今回、d電子をもつ金属を中心に据えたd/π共役系骨格を利用することで、水・酸素と反応しにくい化学的に安定な電子構造を実現しました。この骨格に適切な側鎖(注2)を組み合わせることで高秩序性・高次元性・溶液加工性を両立させた新たな分子性半導体材料を実現しました。

本研究成果为实现优异的双极型半导体材料提供了分子设计指南,有望作为电荷传输材料应用于有机太阳能电池和有机EL等新一代有机电子器件,并有助于实现使用溶液工艺的简易且低成本的器件制造。

本研究成果は優れたアンバイポーラ型半導体材料の実現に向けた分子設計指針を与えるものであり、有機太陽電池や有機ELといった次世代型有機エレクトロニクスデバイスへの電荷輸送材料としての応用、ならびに溶液プロセスを用いた簡便かつ低コストなデバイス製造の実現に対する貢献が期待されます。

02

发表内容

1

研究背景

由有机物构成的有机半导体材料具有与无机半导体材料不同的轻量性、柔软性、溶液加工性等特点,作为柔性器件和低成本·环保型新一代器件的主要材料,其工业应用备受期待。半导体材料包括传输带正电荷载流子(空穴)的p型半导体和传输带负电荷载流子(电子)的n型半导体。p型和n型半导体材料以薄膜形态嵌入有机太阳能电池等有机电子器件中,用作与电极和绝缘层等结合的多层结构。为了提高此类器件的性能,降低层数和接触电阻十分重要,而“双极型半导体”作为关键的新一代半导体材料备受关注。

有機物から構成される有機半導体材料は、軽量性や柔軟性、溶液加工性などの無機半導体材料とは異なる特長をもち、フレキシブルデバイスや、低コスト・環境低負荷型の次世代デバイスのための主要な材料として産業利用に対する期待が高まっています。半導体材料には、プラスの電荷をもつキャリア(ホール)を輸送するp型半導体と、マイナスの電荷をもつキャリア(電子)を輸送するn型半導体があります。p型およびn型半導体材料は薄膜の形態にて、有機太陽電池などの有機エレクトロニクスデバイス内に挿入され、電極や絶縁層などと組み合わせた多層構造として用いられています。こうしたデバイスの性能を向上させるためには、層数や接触抵抗を低減させることが重要であり、その鍵を握る次世代半導体材料として「アンバイポーラ型半導体」が注目されています。

双极型半导体是同时具有p型和n型功能的材料,到目前为止,已在混合了p型和n型半导体的复合材料以及一些聚合物材料中发现了这种特性。但是,在复合材料中,仍存在界面传导效率低的问题,另外,由于各种碳链长度混合的聚合物材料的结构无序,因此难以阐明何种结构有助于提高性能以及基于此的传导机制。因此,碳链长度相同的低分子材料的开发备受关注,而在其主流的π共轭分子中,实现双极型电荷传输特性所需的电子状态极其困难。

アンバイポーラ型半導体は、p型とn型のどちらとしても機能する材料であり、これまでにp型半導体とn型半導体を混合した複合材料や、一部のポリマー材料などにおいてこうした特性が見出されています。しかし、複合材料においては界面での伝導効率の低下が依然として問題となっているほか、さまざまな長さの混在するポリマー材料では構造が乱れてしまうため、性能向上のための構造情報、およびそれに基づいた伝導機構の解明が困難でした。そこで長さにばらつきのない低分子材料の開発が注目されていますが、その主流となっているπ共役系分子では、アンバイポーラ型の電荷輸送特性の発現に必要となる電子状態を実現することは極めて困難でした。

2

研究内容

本研究小组发现,具有d亚层电子、以镍为中心的d/π共轭分子电子结构是开发双极型电荷传输特性的理想状态。这些分子高度稳定,不易与水和氧发生反应,并且可以使用成本相对较低的金属材料镍来简易合成,因此非常受欢迎。为了实现除分子本身具有的电子结构和特性外,还表现出优异载流子传输特性的半导体材料,需要调和高结晶性(可实现高有序性和高维度的层叠状态)和高溶解性(可实现出色的薄膜加工性)这两个看似矛盾的特性。本研究小组从d/π共轭骨架和侧链的组合中探寻满足这些条件的新材料,发现了可同时满足这些条件的d/π共轭分子群。

本研究グループは、d電子をもつニッケル元素を中心に据えたd/π共役系分子の示す電子構造(注3)が、アンバイポーラ型の電荷輸送特性を発現させるのに理想的であることに着目しました。これらの分子は、高安定で水・酸素と反応しにくいうえ、金属材料としては比較的安価なニッケルを用いて簡便に合成できる点も魅力的です。こうした分子自体の示す電子構造・特性に加えて、優れたキャリア輸送特性を示す半導体材料を実現するには、高秩序かつ高次元性の積層状態を可能にする高い結晶性と、優れた薄膜加工性を実現させる高い溶解性という、一見矛盾する性質を両立させる必要があります。本研究グループは、こうした条件を満たす新材料をd/π共役系骨格と側鎖の組み合わせの中から探索し、両者を両立させるd/π共役系分子群を見いだしました。

此外,还出乎意料地发现,侧链上碳原子数的微小差异会显著改变单晶中的层叠结构。引入碳原子数为1的取代基的d/π共轭分子具有一维层叠样式,而引入碳原子数为2或3的取代基的d/π共轭分子具有有利于器件稳定驱动的二维电子结构的“人”字形层叠样式(图1)。后者的层叠样式还被再现于通过溶液涂布形成的厚度为数十纳米的薄膜中,成功实现了高度有序的结晶性薄膜。插入所得薄膜作为半导体层的场效应晶体管器件,表现出双极型电荷传输特性,并且作为其性能指标的载流子迁移率和开/关比均显示出较高水平。这些性能是在没有严格排除水和氧的开放环境中表现出的,因此可以实现具有高稳定性、溶液涂布性和高迁移率的新型双极型半导体材料。

また、ここでは予想外なことに、側鎖上の炭素の数のわずかな違いによって、単結晶中での積層構造が劇的に変化することを発見しました。炭素数が1の置換基を導入したものは1次元的な積層様式をとり、炭素数が2もしくは3の置換基を導入したものはデバイスの安定駆動に有利な2次元的な電子構造を持つヘリングボーン(注4)型の積層様式を示しました(図1)。後者の積層様式は、溶液塗布により構成した数十ナノメートルの厚みの薄膜においても再現され、高秩序な結晶性薄膜の実現に成功しました。得られた薄膜を半導体層として挿入した電界効果トランジスタ(注5)デバイスは、アンバイポーラ型の電荷輸送特性を示し、その性能の指標となるキャリア移動度(注6)とオン・オフ比(注7)のどちらにおいても高い水準を示しました。これらの性能は、水や酸素を厳しく排除することのない開放環境において示されたものであり、高安定・溶液塗布可能・高移動度の新しいアンバイポーラ型半導体材料を実現させることができました。

图1:本研究开发的d/π共轭分子的结构式和分子层叠样式的示意图(左),以及使用其结晶性薄膜作为半导体层的场效应晶体管的示意图(右)。

当侧链上的碳原子数从1增加到2或3时,层叠样式由一维变为“人”字形。获得的二维电子结构可以稳定场效应晶体管的载流子传导。

3

社会意义·未来计划

此次新开发的分子性双极型半导体材料合成成本低,合成过程简易,不易与水和氧发生反应,而且可以溶液加工,是一种具有优异载流子迁移率和开/关比的新型均匀半导体材料。通过获得原子水平的结构信息,可以详细分析电子结构和传导机制,明确了聚合物材料中尚未确立的优异半导体材料的分子设计指南。未来,有望积极活用基于中心金属和配体结合的高结构自由度(d/π共轭分子的特征)和基于侧链上碳原子数引起的层叠样式变化,实现高维电子结构以及高输送特性。除导电材料外,这种使用分子性材料的精细材料设计策略还可以扩展到磁性材料和光学功能性材料等多种应用,有望为新一代有机电子器件的开发做出巨大贡献。

今回新たに開発した分子性アンバイポーラ型半導体材料は、安価・簡便に合成でき、水・酸素と反応しにくく、溶液加工が可能で、優れたキャリア移動度とオン・オフ比を示す均整の取れた新しい半導体材料です。原子レベルでの構造情報の入手により、詳細な電子構造、および伝導機構解析が可能となり、ポリマー材料では確立されてこなかった優れた半導体材料のための分子設計指針を明らかにすることができました。今後、d/π共役系分子の特徴である中心金属と配位子との組み合わせに基づく構造自由度の高さの活用や、側鎖上の炭素数による積層様式の変化に基づいたより高次元的な電子構造による高輸送特性の実現による展開が期待されます。こうした分子性材料を用いた精細な材料設計戦略は、電気伝導性材料にとどまらず、磁性材料、光機能性材料などの多様な用途に拡張可能であり、次世代有機エレクトロニクスデバイスの発展への高い貢献が期待されます。

翻译:李释云

审校:李   涵

通稿:李   涵


获取日文原文

    转藏 分享 献花(0

    0条评论

    发表

    请遵守用户 评论公约

    类似文章 更多