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【52種類を網羅】プルチックの感情の輪を徹底解説

 娜娜nana521 2023-03-10 发布于日本

目次 [表示]

記事の内容

「感情の輪」モデルを元に、52種類の感情の定義や関係性を解説する

記事の信頼性


初対面の相手にキャリア相談する際は緊張しやすく、気持ちをうまく言葉にできない方が多いです。

そこで、キャリアカウンセリングでは発言の意図を汲み取って対話しています。

心理学を修めた経験が、仕事で活きているワケですね。

顧客や同僚に良い時間を提供できるため、どの仕事でも知ってて損はないと思います。

読者さんへの前書きメッセージ

仁井 貴志

仁井 貴志

感情モデルを和訳した文献が少ないなあ。
和訳された図表も、なんか日本語の表現が引っかかるなあ。
それなら、自分で作ってみようか。

こんなことを思いました。

  • 感情の種類と定義、関係性

  • 理想の感情になれるヒント

  • 最悪の感情を避けるヒント

記事を読むと、こんなことが分かりそうですね。

それでは、さっそく見ていきましょう。

プルチックの感情の輪


心理学者のロバート・プルチック氏は、1980年に「Wheel of Emotions」というモデルを提示しました。

こちらが英語原文の図解です。
Pultchik's wheel of emotions

日本では「感情の輪」として知られています。

プルチックの感情の輪

「感情の輪」モデルの要点

これから52種類の感情について説明します。

先に「どんな話が待っているのか」を知っておいた方がわかりやすいと思うので、要約しておきますね。

  1. 8つの基本感情がある

  2. 基本感情は16の別感情に強弱派生する

  3. 基本感情を組み合わせて、24の応用感情が生まれる

  4. 補足:相反する基本感情が同時に起こる4つの応用感情

8+16+24+4=52種類の感情が説明できます。

円環でわかりやすい

感情モデルは他の心理学者も提示していますが、「感情の輪」は円環モデルでで図解されていて分かりやすいです。

たとえば「隣合わせの感情を組み合わせると‥」などの定義で、応用感情が説明できます。

長い文章を記憶するより、目で見て分かりやすい方が助かりますよね。

仁井 貴志

仁井 貴志

まずは「基本感情」を解説していきますね。

8つの基本感情


人間には8つの基本感情が備わっています。

  • 喜び(joy)

  • 信頼(trust)

  • 恐れ(fear)

  • 驚き(surprise)

  • 悲しみ(sadness)

  • 嫌悪(disgust)

  • 怒り(anger)

  • 期待(anticipation)

基本感情のポジティブ・ネガティブ分類

8つの基本感情をポジネガで分類すると、こうなります。

  1. ポジティブ:喜び、信頼

  2. ネガティブ:悲しみ、嫌悪、恐れ、怒り

  3. 中立:驚き、期待(予測)

基本感情はネガティブが大半に見えますが、悪いことではありません。

危機回避のために備わっている、私たちの生存本能ですね。

「中立」とは、ポジティブともネガティブとも決まっていない感情です。

音声での補足はこちら。

基本感情は強弱で派生する

基本感情にも強弱があり、強度によって別の感情へ派生します。

8つの基本感情を序列で表すと、こんな感じ。

  • 恍惚(ecstasy)>喜び>平穏(serenity)

  • 敬愛(admiration)>信頼>容認(acceptance)

  • 恐怖(terror)>恐れ>不安(apprehension)

  • 驚嘆(amazement)>驚き>放心(distraction)

  • 悲嘆(grief)>悲しみ>哀愁(pensiveness)

  • 憎悪(loathing)>嫌悪>退屈(boredom)

  • 激怒(rage)>怒り>苛立ち(annoyance)

  • 警戒(vigilance)>期待>関心(interest)

英単語は明記されていますが、和訳は定義されていません。

「激怒>怒り>苛立ち」などは和訳でも分かりやすいですね。
直訳しづらい単語もいくつかあるので、次に解説を加えます。

一覧表も作ってみたので、ご参考までに。

プルチックの感情の輪_8つの基本感情と強弱派生

8つの基本感情を詳細解説

人間の基本感情は「喜び、信頼、恐れ、驚き、悲しみ、嫌悪、怒り、期待」の8つです。

それぞれの基本感情について、解説していきます。

円環図で理解オッケーな方は、次の応用感情編まで読み飛ばしてくださいね。

以下の解説では応用感情の派生も載せていますが、詳細は次の章で触れます。

喜び(joy)

基本感情_喜び(joy)
喜びとは、自分や他者の幸せや成功の経験によって得られる感情です。

経験する前の予測や、経験した後の回顧によっても喜びを感じます。

「期待に胸を膨らませる」とか「幸せの余韻に浸る」などの言葉が、まさにという感じですね。

喜びの対比感情は「悲しみ」で、「平穏<喜び<恍惚」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

「平穏」と「退屈」は違う‥というのが、ポイントかもですね。

音声での補足はこちら。

信頼(trust)

基本感情_信頼(trust)
信頼とは、呼んで字のごとく「信じて頼りにする気持ち」です。

「頼りになると信じること」と解釈できることもミソですね。

信頼の対比感情は「嫌悪」で、「容認<信頼<敬愛」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

acceptanceは「受付、受理」が常用の和訳です。
感情の輪モデルでは信頼の前段階にて「認める=容認」としています。

音声での補足はこちら。

恐れ(fear)

基本感情_恐れ(fear)
恐れとは、こわがる気持ちや畏れ敬い、かしこまる気持ちです。

物事が起こる前の予測や、事後の感情も「恐れ」から派生しています。

「恐るべからず」という言葉がありますよね。
思考停止で恐れを捨てるより、恐れる気持ちの詳細を理解すれば捗るような気が。

恐れの対比感情は「怒り」で、「不安<恐れ<恐怖」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

「怖い(恐い)な」「失敗しそうだな」「やっちまった」的な気持ちが、恐れみたいですね。
怒りが対比感情なので、恐れは防御姿勢や戦意喪失感があります。

音声での補足はこちら。

驚き(surprise)

基本感情_驚き(surprise)
驚きとは、予期せぬ事態になった際の心的衝動です。

予想した出来事であれば、ビックリはしないワケですね。

驚きの対比感情は「期待(予測)」で、「放心<驚き<驚嘆」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

distractionは難しい英単語で、TOEIC860以上の取得レベルです。
主には「気が散る、気晴らし、動揺」と訳されますが、感情の輪モデルでは驚きの前段階にて「放心」としています。
考えがまとまっていない状態≒期待・予測の反対です。

音声での補足はこちら。

悲しみ(sadness)

基本感情_悲しみ(sadness)
悲しみとは、自分で修復が難しい事態によって引き起こされる情動です。

諦めや無力感を伴う切なさや、泣きたくなるような心の痛みを指します。

「楽しみ極まれば必ず哀しみ生ず」という諺があります。歓楽に浸ってると突然虚しくなる‥的なやつですね。
「悲痛な叫び」という表現もドラマでよく耳にしますが、現実には起きてほしくないものです。

悲しみの対比感情は「喜び」で、「哀愁<悲しみ<悲嘆」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

pensivenessは「物思い」が代表的な和訳で、何かについて深く病的に考え込む様を意味しています。
ネガティブや物憂げといったニュアンスから、悲しみの前段階にて「哀愁」としています。

嫌悪(disgust)

基本感情_嫌悪(disgust)
嫌悪とは、不快な刺激との接触によって生じる情動です。

不快感を覚えて、退避傾向も生じます。

「嫌悪感を抱く」とは、自分から対象を遠ざけたい気持ちの現れですね。
「第一印象は半年ほど持続する」という心理学の研究があるので、出会って1分で嫌われない努力をしたいところです。

嫌悪の対比感情は「信頼」で、「退屈<嫌悪<憎悪」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

boredomは「退屈・倦怠」を意味します。
他者への退屈さや、倦怠感のある状態・状況が悪化すると「嫌悪」になるようですね。
「憎悪」ともなると、相手を排除する言動を伴います。

怒り(anger)

基本感情_怒り(anger)
怒りとは、目標に到達するための行動が妨害された時に生じる、攻撃的な情動です。

「怒りをあらわにする」とは、目標到達のために対象を攻撃して退かそうとする動きといえます。相手をコントロールするための手段として、怒りを用いるのでは‥という研究もあります。(マズローなど)

怒りの対比感情は「恐れ」で、「苛立ち<怒り<激怒」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

嘲笑や浮気を受けて、悔しさをバネに成功する人は「怒り」のパワーをうまく使っているのでしょうね。
”うまくいかないから怒る”ワケですので、目標のない人や期待していない状況では、怒りが起こりづらかったりします。
怒りは決して悪いばかりの感情ではないため、うまく使っていきたいですね。

期待(anticipation)

基本感情_期待(anticipation)
期待とは、過去の経験や現在の状況に基づいて、未来を予期して対象や現象を待ち構える態度です。

つまり、経験を重ねるほど期待(予測)の精度は上がっていくワケですね。

期待の対比感情は「驚き」で、「関心<期待<警戒」の順に発展していきます。

仁井 貴志

仁井 貴志

vigilanceは難しい英単語で、TOEIC900以上の取得レベルです。
主には「警戒・用心」と訳され、未来を予測するためのアンテナを張っている状態ですね。
「覚醒」という意味もあり、良し悪しいずれでも予測の精度をMAXにしていると言えます。

基本感情の補足

「驚き、期待」はポジティブ・ネガティブの中立状態です。
予測が立っていなければ「驚き」であり、予測していれば何かしらの「期待(予期)」となります。

応用感情(ダイアド)の基礎知識


基本感情を組み合わせると、24の応用感情が生まれます。

プルチックの感情の輪_応用感情一覧

専門用語「ダイアド」について

dyadは「二個一組、対関係」を意味する英単語です。

プルチック氏は感情の輪モデルを提示する際、2つの感情で構成される感情を「ダイアド」と定義しました。

和訳では「ダイアド=応用感情」と覚えればOKです。

円環モデルで説明しやすい応用感情

ダイアド(応用感情)には1次〜3次までの段階があります。
Pultchik's wheel of emotions_dyad

≫プルチック氏の定義
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・Primary dyad = one petal apart
・Secondary dyad = two petals apart
・Tertiary dyad = three petals apart
・Opposite emotions = four petals apart

和訳するとこんな感じです。

  • 一次ダイアド= 1枚の花びらが離れている

  • 二次ダイアド= 2枚の花びらが離れている

  • 三次ダイアド= 3枚の花びらが離れている

  • 反対の感情= 4枚の花びらが離れている

円環=花弁のイメージ

「感情の輪」はカラフルな花弁を描いており、位置関係で新たな感情を派生させています。

仁井 貴志

仁井 貴志

私は感動的に分かりやすいと思ったのですが、いかがでしょうか。
「四次ダイアド」とは言わないことだけが謎です。

応用感情の種類

「一次〜三次ダイアド」までは、それぞれ8つの感情が定義されています。(計24種類)
「反対の感情」は4種類で、8つの基本感情の対関係ですね。(後述します)
プルチックの感情の輪_応用感情_ダイアド

仁井 貴志

仁井 貴志

一次ダイアドは和訳で「一次感情」とも呼ばれます。二次ダイアドは「二次感情」、三次ダイアドは「三次感情」ですね。
基本感情8つを一次感情と誤って呼んでいるメディアがあったので、間違いやすいところかと思います。

余談:「トライアド」もある

3つの感情の組み合わせから成る「トライアド」も定義されています。(triads)

トライアドは32種類あり、この記事で解説する52種類と合わせれば84種類の感情が説明できるんです。

この記事では割愛しますが、興味のある方は調べてみてくださいね。

それでは、応用感情について詳しく解説していきます。

応用感情の詳細解説【合わせて28種類】


ここからは、4パタンの応用感情に触れていきます。

  • 一次ダイアド(8つ)

  • 二次ダイアド(8つ)

  • 三次ダイアド(8つ)

  • 反対の感情(4つ)

この順番で解説していきますね。

»おさらい
人間の基本感情は「喜び、信頼、恐れ、驚き、悲しみ、嫌悪、怒り、期待」の8つです。
この8つが混ざり合うことで、応用感情が生まれます。

応用感情①:一次ダイアドは隣同士で混ざり合う

応用感情_一次ダイアド_一次感情

一次ダイアドは隣り合わせの基本感情が混ざることで派生します。

一次ダイアド=一次感情と覚えていただいてOKです。

それぞれについて、解説していきますね。

「愛」=喜び+信頼

喜びと信頼が混ざると「愛(Love)」になります。

愛とはなんぞや‥とは、老若男女が悩むテーマのひとつですね。

喜びと信頼、どちらか一方が欠けたなら、そこに愛はないのかもしれません。

「服従」=信頼+恐れ

信頼と恐れが混ざると「服従(submission)」になります。

「仕事はデキるけど、怖い上司」などイメージしやすいでしょうか。

私たちがリーダーなら、後輩を萎縮させすぎるのも考えものですよね。

「畏怖」=恐れ+驚き

恐れと驚きが混ざると「畏怖(awe)」になります。

元いじめられっ子が覚醒して成功するシーン、マンガで描かれたりしますよね。

いじめっ子たちの心境はおそらく「恐れ+驚き」で畏怖なのでしょう。

「拒絶」=驚き+悲しみ

驚きと悲しみが混ざると「拒絶(disapproval)」になります。

たとえば浮気は予想だにしなかった悲しい出来事ですね。

拒絶は自分の心を平穏に保つための機能ではないでしょうか。

「後悔」=悲しみ+嫌悪

悲しみと嫌悪が混ざると「後悔(remorse)」になります。

この場合は「自己嫌悪」がイメージしやすいですね。

自他に損害を与えるような行動をしたと気づくと、後悔するワケです。

「軽蔑」=嫌悪+怒り

嫌悪と怒りが混ざると「軽蔑(contempt)」になります。

後悔とは異なり、怒りを含む嫌悪は、蔑む気持ちに変貌するようです。

怒りが少なければ「無視」などになるでしょうね。

「攻撃性」=怒り+期待

怒りと期待が混ざると「攻撃性(aggressiveness)」になります。

期待は「予想」と解釈いただくと分かりやすいかもしれません。

後輩が定時を迎えても出社しなかったら、周囲にかける迷惑を考えて叱るかどうか考えますよね。

「楽観」=期待+喜び

期待と喜びが混ざると「楽観(aptimism)」になります。

ラテン語では『最善を望むこと』を意味する言葉です。

正しい努力をしていれば、難局でも前向きに考えられそうですね。

仁井 貴志

仁井 貴志

以上、1次ダイアドの解説でした。
次は2次ダイアドです!

応用感情②:二次ダイアドは1つおきに混ざり合う

応用感情_二次ダイアド_二次感情
二次ダイアドは基本感情が1つおきに混ざることで派生します。

二次ダイアド=二次感情と覚えていただいてOKです。

それぞれについて、解説していきますね。

「罪悪感」=喜び+恐れ

喜びと恐れが混ざると「罪悪感(guilt)」になります。

「ダイエット中なのに暴食した」と想像してみてください。

目先の喜びと将来の恐れが混ざるので、おそらく罪悪感が生まれます。

「好奇心」=信頼+驚き

信頼と驚きが混ざると「好奇心(curiosity)」になります。

ポジティブに興味を持つことだと捉えると、分かりやすいかもです。
意中の相手や、信頼する上司を思い浮かべてください。

その人に「実はお茶目な一面があった」と分かったら、好奇心を持って質問しませんか?

「絶望」=恐れ+悲しみ

恐れと悲しみが混ざると「絶望(despair)」になります。

良い関係が崩れたり、大切にしていたものがなくなった時。

現在はひどく悲しく、将来はとても不安なので、とても暗い気持ちになるのだと分かります。

「不信感」=驚き+嫌悪

驚きと嫌悪が混ざると「不信感(unbelief)」になります。

陰口を言われていたことに気づくと、嫌な気持ちになりますよね。

予想外の悪い出来事に見舞われると、不信感を抱くのですね。

「嫉妬」=悲しみ+怒り

悲しみと怒りが混ざると「嫉妬(envy)」になります。

  • 妬み:羨ましくて、憎らしい(怒り)

  • 嫉み:羨ましくて、悔しい(悲しい)

仕事のできない同期が贔屓されたり、パートナーが浮気したりという状況が分かりやすいでしょうか。

悲しみ+怒りなので、「嫉み」から「妬み」に変貌を遂げることが分かります。

「皮肉」=嫌悪+期待

嫌悪と期待が混ざると「皮肉(cynicism)」になります。

シニシズムは冷笑主義とも呼ばれます。

皮肉と聞くと嘲笑うイメージがあるものの、実は”嫌悪しつつも期待しているようだ”と考えると面白いですね。

期待の要素が抜けると、皮肉すら言われなくなるワケです。

「自尊心」=怒り+喜び

怒りと喜びが混ざると「自尊心(pride)」になります。

prideは「誇り、自慢、傲慢」とも訳されますが、怒りが混ざっているので心中穏やかではなさそうです。

自分を尊ぶ姿勢は、裏を返せば「自分にまだ満足していないぞ」という闘争心の現れでしょうか。

「希望」=期待+信頼

期待と信頼が混ざると「希望(hope)」になります。

信じて頼れる未来を想像する事こそ、希望なのですね。

「希望的観測」の内は、きっと信頼には足らないのでしょう。

仁井 貴志

仁井 貴志

以上、2次ダイアドの解説でした。
次は3次ダイアドです!もうひと踏ん張り!

応用感情③:三次ダイアドは2つおきに混ざり合う

応用感情_三次ダイアド_三次感情
三次ダイアドは基本感情が2つおきに混ざることで派生します。

三次ダイアド=三次感情と覚えていただいてOKです。

基本感情の花弁が離れているので、より複雑な感情になっていきます‥!

それぞれについて、解説していきますね。

「歓喜」=喜び+驚き

喜びと驚きが混ざると「歓喜(delight)」になります。

基本感情の「期待」は予測している状態で、「驚き」は予測できていない状態です。

予想だにしないハッピーな出来事には、よりいっそうの喜びを感じるようですね。

「感傷的」=信頼+悲しみ

信頼と悲しみが混ざると「感傷的(sentimentality)」になります。

sentimentalityには「涙もろい」という和訳もあります。

信頼している人の言動には、一喜一憂しますよね。

感じやすい様が、まさに「感傷的」といえます。

「羞恥心」=恐れ+嫌悪

恐れと嫌悪が混ざると「羞恥心(shame)」になります。

自分の過ちや思い違いに気づくと、恥ずかしさや屈辱感を抱きます。

他人の言動に対しては「共感性羞恥」とも呼ばれますね。

「憤慨」=驚き+怒り

驚きと怒りが混ざると「憤慨(outrage)」になります。

隣を歩いている家族や友だちが、いきなり通行人に殴られたとしましょう。

予想外の出来事であり、許せない気持ちが芽生えることと思います。

「悲観的」=悲しみ+期待

悲しみと期待が混ざると「悲観的(pessimism)」になります。

喜び+期待=楽観(aptimism)の反対で、「悲観論、悲観主義」とも訳されます。

悲観的になっていると気づいたら、「悲しみ」の原因を特定すると捗りそうですね。

「不健康」=嫌悪+喜び

嫌悪と喜びが混ざると「不健康(morbidness)」になります。

morbidnessは「罹患率、陰鬱」とも訳せますが、感情の輪では解釈が変わります。

浮気したり、信頼してくれる相手を口車に乗せたり‥という状況を想像してください。

誠実さが残っていれば「自分は得しているが、相手に悪いことをしている」と感じます。

「罪悪感」の例で、ダイエット中の暴食を挙げました。
食事中に自己嫌悪していれば心は「不健康」であり、また太るんだろうなあと案じていれば「罪悪感」が生まれますね。

「支配」=怒り+信頼

怒りと信頼が混ざると「支配(dominance)」になります。

»おさらい
怒りは目的達成の障害をぶっ壊そうとする感情表現です。
感情的に見えて、実は理性的に相手をコントロールする手段です。

純粋に相手を信頼しているようで、自分本位に動かそうとしているだけの人もいます。

サイコパス傾向のある方は、無自覚に相手を支配しがちかもですね。

「懸念」=期待+恐れ

期待と恐れが混ざると「懸念(anxiety)」になります。

不安な未来が想像できてしまった時は、懸念を抱きますよね。

『懸念事項は〜‥』が口グセの人が会議にいたら、「恐れ」を細かく聞いてあげてから回答すると捗ります。

仁井 貴志

仁井 貴志

以上、3次ダイアドの解説でした。
次は反対感情です!次で最後!

応用感情④:反対の感情は3つおきに混ざり合う


8つの基本感情には相互関係があります。

  • 喜び ⇄ 悲しみ

  • 信頼 ⇄ 嫌悪

  • 恐れ ⇄ 怒り

  • 驚き ⇄ 期待

対立する感情は、同時に抱きづらいとされています。

例)喜んでいる時に、悲しい気持ちは起こりづらい。

しかし、複雑な状況では対立感情が混ざり合うことがあります。

Pultchik's wheel of emotions_opposite combinations

和訳するとこんな感じ

「ほろ苦さ」=喜び+悲しみ

喜びと悲しみが混ざると「ほろ苦さ(Bittersweetness)」になります。

苦しくもあり、楽しくもある。

『ほろ苦い思い出』は私たちの手足や思考を止めるので、浸りたくなければ忙しくすることです。

「葛藤」=信頼+嫌悪

信頼と嫌悪が混ざると「葛藤(Ambivalence)」になります。

心理学の専門用語では「両価性」と呼びます。
両価性:同一対象に対して矛盾する感情や評価を同時に抱いている精神状態

相反する感情が交錯する時は自身の気持ちに整理がついておらず、曖昧さに葛藤しています。

ダメ男と別れられないとか、お金をせびってくる家族や友人がいる状況などは、信頼と嫌悪の狭間で葛藤するでしょう。

「冷淡」=恐れ+怒り

恐れと怒りが混ざると「凍結(Frozenness)」になります。

Frozennessは直訳すると「凍結」ですが、対人関係では「冷淡」と訳すのが適当でしょう。

本来、怒りは攻撃反応で、恐れは防御反応です。

攻撃と防御、どちらの態勢も取りたい時は、相手に近づかないよう冷淡な態度を取ります。

ナンパ師のコミュ力が高い理由は、ジョークで一気に距離を詰めることが一因な気がしますね。(防御態勢を崩して、冷淡を解除させている)

「混乱」=驚き+期待

驚きと期待が混ざると「混乱(Confusion)」になります。

驚きは予測できない状態で、外発的な感情です。
期待は予測している状態です。内発的な感情です。
「外発」は他者からの言動を受けての気持ち、「内発」はひとりでに湧き上がる気持ちです。

相手の言動を受けて驚き、良し悪しが判断つかない時に混乱状態に陥ります。

思わせぶりな態度を取られたり、いつも陽気な同僚が素っ気なかったりすると、混乱しますよね。

仁井 貴志

仁井 貴志

以上、反対感情の解説でした!
これにて、52種類の感情を網羅しました。お疲れさまでした!

「感情の輪」モデルをキャリアと社会生活に取り入れよう


今回はプルチック氏が提示した「感情の輪」モデルを元に、52種類の感情を解説しました。

感情がどう定義されているかを知るだけで、自分の気持ちはコントロールしやすくなりますよね。

そして、相手の気持ちを考える際にも、「感情の輪」は参考になるはずです。

仕事やプライベートでうまく活用して、より充実した社会生活を送れますよう願っております。

プルチックの「感情の輪」解説図まとめ

この記事で紹介した図解を、振り返りとして載せておきます。

SNSでのシェア、情報サイトでの引用はウェルカムです。

感情の輪(原文)

Pultchik's wheel of emotions

感情の輪(和訳)

プルチックの感情の輪

基本感情の強弱派生

プルチックの感情の輪_8つの基本感情と強弱派生

応用感情:1次〜3次ダイアド(原文)

Pultchik's wheel of emotions_dyad

応用感情:1次〜3次ダイアド(和訳)

プルチックの感情の輪_応用感情_ダイアド

応用感情:反対の感情(原文)

Pultchik's wheel of emotions_opposite combinations

応用感情:反対の感情(和訳)

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