固着

固着

特定の発達段階に停滞してしまうことであり、防衛機制の概念においては、ある特定の反応や行動のパターンに固執しそれを反復することで不安や葛藤などの心理的に不安定な状態を克服しようとする自我の作用のことである。

精神分析的発達理論においては、神経症や精神病などの精神疾患や不適応行動は、過去の発達段階において生じた不安や葛藤が克服できなかったためにその段階に固着し、後の発達段階でのストレスの強い体験によって、その不安や葛藤が身体症状や行動的病理へと置き換えられたものと見なす。

防衛機制の概念においては、ある発達段階におけるリビドーの備給による衝動や欲求の解放・充足が適切になされず、その結果、その発達段階における不安や葛藤が克服できなかったためにその不安や葛藤に固執するようになり、それ以降の発達段階になっても、以前のその発達段階に解放・充足すべき衝動や欲求を追い求めるような代理的な反応や行動のパターンを繰り返し示してしまうものと見なす。