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胃底腺型胃癌の臨床的特徴—1

 碧塔海tsg 2018-08-25

胃底腺型胃癌の臨床的特徴—1


[症例1] 59歳, 男性. 

3年前に前庭部胃癌で幽門側胃切除とH. pylori除菌を行った. 術後の定期検査で胃穹窿部に10mm程度の表層血管の増生拡張が目立ち, 平滑なやや発赤調に観察される扁平隆起を認めた(Fig.1). この時点での生検ではGroup 2と診断され経過観察となった. 1年後の経過観察で生検による軽度の陥凹と表層血管の蛇行・拡張が目立ったため, 診断的目的のEMRを施行した. 病理学的にはGA-FG, 深達度pT1b(SM 160µm)であった(H. pylori除菌歴あり, 胃粘膜萎縮あり).


Fig.1 [症例1] 胃穹窿部に10mm程度の表層血管増生拡張が目立ち, 平滑なやや発赤調に観察される扁平隆起を認めた.


[症例2] 74歳, 女性. 

人間ドックのEGDで胃穹窿部大彎に7mm程度の表層に血管増生拡張が目立ち, 中心が陥凹し上皮下に白色調腫瘤の存在を疑わせる表面平滑な隆起を認めた(Fig.2). 生検ではGroup2と診断され経過観察となった. 1年後のEGDでは内視鏡的に変化はみられなかったが, 生検で胃型腺腫疑いとの診断でESDを施行した. 最終的にはGAFG, 深達度pT1b(SM 750µm) であった(H. pylori陰性, 胃粘膜萎縮なし).


Fig.2 [症例2] 胃穹窿部大彎に7mm程度の表層に血管増生拡張が目立ち, 中心が陥凹し上皮下に白色調腫瘤の存在を疑わせる表面平滑な隆起を認めた.


[症例3] 53歳, 男性. 

人間ドックのEGDで胃体上部前壁に5mm程度の表層に血管増生拡張が目立ち, 上皮下に白色調腫瘤の存在を疑わせる表面平滑な隆起を認めた(Fig.3). 生検では胃底腺過形成の結果であったが, その後の再検討でGA-FG疑いとなりESDを施行した. 最終的にはGA-FG, 深達度pT1b(SM 200µm)であった(H. pylori陰性, 胃粘膜萎縮なし).


Fig.3 [症例3] 胃体上部前壁に5mm程度の表層に血管増生拡張が目立ち, 上皮下に白色調腫瘤の存在を疑わせる表面平滑な隆起を認めた.


[症例4] 55歳, 女性. 

人間ドックのEGDで噴門部小彎に5mm程度で周辺粘膜より軽度に表層血管拡張があり, 上皮下に白色調腫瘤の存在を疑わせる表面平滑なごく低い扁平隆起を認め(Fig.4a), 生検で胃型腺腫の診断であった.約1年後の再診で形態変化はほとんどみられなかったが, GA-FGの可能性を考えESDを施行した. 最終的にはGA-FG, 深達度pT1a(M)であった(Fig.4b,c, H. pylori陽性, 胃粘膜萎縮あり).


Fig.4 [症例4]

a 噴門部小彎に5mm程度で周辺粘膜より軽度に表層血管拡張があり, 上皮下に白色調腫瘤の存在を疑わせる表面平滑なごく低い扁平隆起を認めた.


b ESD切除標本病理, 弱拡大像.


c ESD切除標本病理, 強拡大像.


[症例5] 44歳, 男性. 

胃癌検診のEGDで噴門部大彎側に7mm程度の表層に血管増生拡張が目立ち, 色調はほぼ正色調の表面平滑な低い隆起を認めた(Fig.5a). 生検ではGroup 2であったが, GA-FGの可能性がありESDを施行した. 最終的にはGA-FG,深達度pT1b(SM 100µm)であった(Fig.5b,c, H. pylori陰性, 胃粘膜萎縮なし).


Fig.5 [症例5]

a 噴門部大彎側に7mm程度の表層に血管増生拡張が目立ち,色調はほぼ正色調の表面平滑な低い隆起を認めた.


b ESD切除標本病理, 弱拡大像.


c ESD切除標本病理, 強拡大像.


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