NBI拡大内視鏡の胃癌組織型診断-2

未分化型癌を類推する所見

1）低分化腺癌：por， 印環細胞癌：sig（Fig.7～9）

Fig.7 印環細胞癌．

a 白色光通常内視鏡像． 褪色調の0-IIc型病変で内部に発赤調のインゼルを認める． 境界部分はやや不明瞭である．

b NBI拡大内視鏡像（aの黄枠部）． 表面微細構造は消失し， 微小血管は引き伸ばされ， お互い連結することなく， 曲線やらせんを描きながら細まり，先が追えなくなるように消失していく血管像である． wavy micro vesselsと診断し， 未分化型癌を疑う所見である．

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Fig.8 印環細胞癌．

a,b NBI拡大内視鏡像（弱拡大）． 陥凹内で表面微細構造は消失している． 陥凹に向かって走行するwhite zoneが消えていく所見が認められ， ghost like disappearance of white zoneであり（黄矢印部）， 未分化型癌の特徴である． また， 病変辺縁の隆起部で整形の腺開口部を認め， 窩間部が開大している． これも未分化型癌の所見である（青円部）．

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Fig.9 印環細胞癌．

a,b NBI拡大内視鏡像（強拡大）． 陥凹内の表面微細構造は消失しており， 陥凹に向かって走行するwhite zoneが消えていく所見が認められ， ghost like disappearance of white zoneの所見である（f， 黄矢印部）． 微小血管はwavy micro vesselsと診断できる．

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2）粘液癌：muc（Fig.10,11）

Fig.10 粘液癌．

a 白色光通常内視鏡像． 発赤調の深い陥凹を中央に認める0-IIc型病変である．

b NBI拡大内視鏡像． 陥凹内部の拡大観察では円形の白色物質が散在している． 粘液癌の所見である．

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Fig.11 粘液癌．

a 白色光通常内視鏡像． 発赤調の0-I型病変である． 表面には白色物質が強固に付着している．

b NBI拡大内視鏡像． 肛門側の辺縁では， 分化型癌を背景にして， 構造を有しない綿毛様所見を認めており， 粘液癌と診断できる．

文献

Hidetaka Hamamoto, et al. Diagnosis of Early Gastric Cancer Using Narrow-Band Imaging Magnifying Endoscopy：Perspectives from Tissue-Type Diagnosis . Stomach and Intestine（Tokyo）；53（5）：621-634, 2018. 

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