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【世界の有名な童話】コルニーユ爺さんの秘密

 日知窗 2020-11-08

コルニーユ爺さんの秘密

ドーデの童話

昔々、平和で楽しい村がありました。
 村の人たちはみんな仲良しで、日曜日には教会に集まり、お祈りした後には歌ったり踊ったりします。
 畑仕事も、力を貸しあいます。
 村の人たちは、いつもみんなが幸せでいられるように考えて、暮らしていたのでした。
 そして、畑で取れた麦は粉引き小屋に持って行き、粉にしてパンを作って焼いて食べました。
 この村にはたくさんの粉引き小屋があって、大きな風車くるくると風に回り、村の人たちの歌にあわせるように、ゴトンゴトンと粉碾き臼が音を立てていました。
 コルニーユ爺さんも、粉引き小屋で孫のビベットと、元気よく働いていました。
 コルニーユ爺さんは、粉引きの仕事が大好きで、六十年もこの仕事をしているのに、いつでも大張り切りです。
 ところがこの村に、粉引き工場ができたのです。
 工場に麦を持って行くと、あっというまに機械で粉にしてくれます。
 村の人たちは、その方が早くパンを作れるので、だんだん麦を工場に持って行くようになりました。
 村にたくさんあった粉引き小屋は、一つまた一つと、臼を回すのを止めてしまいました。
 麦を持ってきてくれる人がいなければ、仕事にならないからです。
 それで粉引き小屋は取り壊され、次々と畑に変わっていきました。
 まるで風車の村だったのに、とうとう風車は一つだけになってしまいました。
 それは、コルニーユ爺さんの風車です。
 コルニーユ爺さんは、
「風車がくるくる回って、臼がゴトンゴトンと音を立てて粉を作るのさ。その粉で作ったパンでなきゃ、うまいはずがない」
と、ぶつぶつ独り言を言って歩くようになりました。
 それを見た村の人たちは、
「可哀想に。仕事がなくて、コルニーユ爺さん、頭がおかしくなったのかねえ」
と、噂しました。
 コルニーユ爺さんが何を考えているのか、孫のビベットにも分からなくなりました。
 だって、あんなに可愛がってくれていたのに、
「ビベット、わしは一人で暮らしたくなった。お前は出ていってくれ。そしてもう、二度とここへは来るな」
と、いきなりそう言ったのですから。
 ビベットは追いだされるように粉引き小屋を出て、村の隅の小さな家で暮らすようになりました。
 コルニーユ爺さんの暮らしは、誰が見てもひどいものでした。
 痩せこけて服はぼろぼろ、靴も穴が開いているのを、何ヶ月も履いているのです。
 けれど不思議なことに、風車は前と同じように、くるくると楽しそうに回っています。
 それにコルニーユ爺さんは朝になると、驢馬を連れて村を出て行き、帰りには膨らんだ袋を驢馬の背中に積んでいるのでした。
「コルニーユ爺さん、忙しそうだね」
 村の人が声をかけると、コルニーユ爺さんはにこにこ笑って答えます。
「ああ、隣の村やその向こうの村から、いっぱい注文があってね」
「そうかい、大変だね」
 村の人たちはそう言った後、みんな心の中で思いました。
(
そんなに儲かっているのなら、服や靴を買いかえればいいのに)
 ビベットも、もちろんそう思いました。
 でも、様子を見に行っても、コルニーユ爺さんはドアに鍵をかけて、中には入れてはくれません。
 ビベットは、そんなに忙しく働いているお爺さんの体が、心配でたまりませんでした。
 だから断られても、断られても、会いに行きました。
 そんなある日のこと、ビベットは友だちの男の子と、コルニーユ爺さんの粉引き小屋に行きました。
 お爺さんは留守でした。
 ビベットと男の子は、梯子に登り、開いている窓から中に入ってみることにしました。
 そして二人は、粉引き小屋の中で、
「あっ!」
と、言ったまま、立ち尽くしてしまいました。
 なんと粉碾き臼の中には麦一粒もなく、ただ風車が風にくるくると回っているだけだったのです。
 それに小屋の隅に転がっている袋には、麦ではなく土が入っていたのです。
「これ、おじいちゃんが驢馬に乗せて持ってくる袋よ」
「ビベット、君のお爺さんは、麦をひくよう頼まれているふりをしていたんだね。どんなに貧乏になっても、粉引きをしたかったんだね」
「可哀想なおじいちゃん」
 ビベットは、ぽろぽろと涙を流しました。
 そして二人は粉引き小屋を出ると、村の人たちに粉引き小屋で見てきたことを話しました。
 村の人たちは誰もが目に涙を溜めて、頷きました。
「そういえば、工場ができてから村は変わったわ」
「コルニーユ爺さんの気持ちを、考えてあげることもしなかったよ。気の毒なことをした」
 村の人たちは麦を袋に詰めて、コルニーユ爺さんの粉引き小屋に向かいました。
 コルニーユ爺さんは、もう動く力もなくて、小屋の前でしょんぼりと座っていました。
「なあ、コルニーユ爺さん、うちの麦を粉にしとくれよ」
「うちもだ、うちの麦も頼む」
「やっぱりパンは、風車で作ったパンが一番うまいからな」
 村の人たちが次々に袋をさしだすと、コルニーユ爺さんの目はたちまち輝きました、
「おおっ!麦かい!麦だな!待っていろよ、飛び切り美味しい粉を作ってやるからな」

(ちから)を貸(か)す:借助;帮忙。

くるくる:滴溜溜地(转)。

ゴトンゴトン:轰隆轰隆。

(は)り切(き)り:干劲十足,精神百倍。

取り壊(こわ)す:拆毁,拆掉。

ぶつぶつ:抱怨,牢骚。

(ひと)り言(ごと)自言自语。

いきなり:突然,冷不防。

ぼろぼろ:破破烂烂。

にこにこ:笑嘻嘻;笑眯眯。

(た)ちつくす:站到最后。

ぽろぽろ:扑簌。

(き)の毒(どく)可怜;可惜。

しょんぼり:孤零零(地);无精打采。

たちまち:转瞬间,立刻。

(と)び切(き)り:特好;极,异常。

考鲁尼尤爷爷的秘密  

(都徳童话)

从前,有一个和平快乐的小村子。

村子里的人相处的都很好,礼拜天大家都聚集在教堂里,做完礼拜后唱唱歌跳跳舞。

田地里的活也都互相帮助。 

村里的人们都想永远地幸福的生活着。

然后把在地里收割的麦子拿到磨坊,磨成面粉烤成面包吃。

这个村子里有很多的磨坊,大风车轱辘轱辘地随风转动,好像是配合人们的歌声一样,磨坊里的磨也发出咚咚的声音。考鲁尼尤爷爷也在磨坊里和孙子比拜斯特一起,起劲地干着活。 

考鲁尼尤爷爷非常喜欢磨坊的工作,已经从事这项工作六十多年了,总是精神百倍。

但是,村子里建成了磨面工厂。把麦子拿到工厂的话,一会功夫就用机器磨成了面粉。 

因为这样可以很快把面包做好,所以村子里的人们渐渐地都不到磨房磨面了。

村子里的小磨坊都一个接一个的停工了。

因为没有人再把麦子拿来磨,也就没有工作了。

小磨坊一个一个地被拆除,变成了田地。

曾经是一个风车村,现在却只剩下了一个风车。

那就是考鲁尼尤爷爷的风车。

考鲁尼尤爷爷说:

“风车轱辘轱辘地转动,磨盘咚咚地响,磨出面粉。不是用这种面粉做出来的面包不可能好吃。”自言自语地说完就走了。

村里的人看到了,说:

“真可怜。没活干了,考鲁尼尤老爷爷脑袋都变得不正常了。”大家都这样谣传。

就连他的孙子比拜斯特也不知道考鲁尼尤爷爷在想什么。

因为爷爷非常疼爱他,可是考鲁尼尤爷爷却突然对他说:

“比拜斯特,我想一个人生活。你也搬出去吧。再也不要来这里了。”

比拜斯特像是被赶出来一样离开了小磨坊,在村子角落的一个小屋里生活了下来。

考鲁尼尤爷爷的生活,谁见了都觉得残酷无情。

他骨瘦如柴,衣服破破烂烂,一直都穿着一双带窟窿的鞋。

但是不可思议的是风车还和以前一样在轱辘轱辘地欢快地转动着。

而且考鲁尼尤爷爷一到早晨就牵着驴离开村子,回来的时候驴背上驮着鼓鼓囊囊的一个袋子。

“考鲁尼尤爷爷好像很忙啊。”

每当村里的人们这样打招呼时,考鲁尼尤爷爷就笑着回答说:

“啊,旁边的村子还有对面的村子,有很多人要磨面。”

“是吗?那挺忙的啊。”

村里的人说完都在心里想。

(既然这么赚钱的话,怎么不换新衣服和鞋呢?)

比拜斯特当然也这么想。

可是,就算想进去看看,考鲁尼尤爷爷却把门锁上不让进。

比拜斯特担心忙碌工作的爷爷的身体,担心得不得了。

所以即使是不断地被拒绝,也还是去看他。

有一天,比拜斯特和一个小男孩朋友,去了考鲁尼尤爷爷的小磨坊。

考鲁尼尤爷爷不在家。

比拜斯特和小男孩爬上梯子,从开着的窗户里爬进了屋里。

然后两个人在小磨坊里“啊!”地一声呆住了。

磨坊的磨里没有一粒小麦,只是风车在轱辘轱辘地随风转动。

而且放在小屋角落里的口袋里装的根本就不是麦子,而是土。

“这个是爷爷放在驴背上驮回来的口袋呀。”

“考鲁尼尤,你爷爷原来是装作有人请他磨面啊,即使是这么穷了,他还是想磨面啊。”

“可怜的爷爷。”

考鲁尼尤眼泪哗哗地流了下来。

然后两个人走出小磨坊,对村子里的人讲了他们看到的一切。

村里的人都含着眼泪,低下了头。

“这样说来,自从工厂建成后,村子发生了变化。”

“没有考虑过考鲁尤尼老爷爷的心情啊,真是做了一件可悲的事情啊。”

村里的人都把口袋里装满了麦子,朝考鲁尤尼老爷爷的家里走去。

考鲁尤尼老爷爷连动的力气也没有了,在小屋前面无精打采地坐着。

“喂,考鲁尤尼老爷爷,把我们家的麦子磨成面粉吧。”

“我也是,我家的也拜托您啊。”

“因为还是风车做出来的面包最好吃。”

村里的人们一个个地都把口袋拿出来了,考鲁尼尤老爷爷的眼睛瞬间就神采奕奕了。

“哦,麦子吗?麦子啊!让我好等啊,我要把你们磨成最好吃的面粉。”

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